伊藤園×ポケモンGOのジョイントベンチャー

自販機とスマホゲームアプリ。異色のタッグにより生まれたもの

1970年代、“飲料の多様化、洋風化”が急激に進み、緑茶市場そのものが急激に縮小する時代に、「缶入り煎茶」「ペットボトル入り緑茶飲料」「ホット専用ペットボトル」などを発明し、業界を牽引してきた伊藤園と、GPS機能により、 現実世界そのものをゲームの舞台としてプレイする文化を生み出した「ポケモンGO」との異色のコラボレーションに迫る。

お茶の伝統を重んじながらも、時代の流れに呼吸を合わせてきた伊藤園

 新しい飲用スタイルで、急須で入れた緑茶の味わいをより身近な存在へ。
このキャッチコピーに表れているように、同社を特徴づけるのは「新しく市場を切り開く力」であるといえるでしょう。例えば、日本人の食文化に大きな影響を与えた「缶入り煎茶」や「ペットボトル入り緑茶」は、同社が世界で初めて発売しました。特に「缶入り煎茶」は、1974~1984年の10年間、同社が開発・研究期間を経て完成した商品であることで知られています。

 1960~70年代、缶コーヒーが登場したことにより「飲料の多様化・簡便化・洋風化」が急速に進み、急須でいれるという手間のかかる緑茶は、時代のニーズに合わせる必要が出てきました。そんな中、伊藤園は「いつでも、どこでも緑茶をおいしく味わっていただきたい」という想いから、「缶入り煎茶」の研究開発を開始。10年の開発期間を経て、「家庭で飲む」インドア飲料だった緑茶を、「いつでもどこでも」飲めるアウトドア飲料として世界で初めて世に送り出しました。
【出典】伊藤園公式HP

一斉を風靡したポケモンGOとは

 「ポケモンGO」とは、スマートフォンのGPS機能を活用することにより、 現実世界そのものを舞台としてプレイするゲームです。たくさんの謎を秘めたふしぎな生き物「ポケットモンスター」略して「ポケモン」を捕まえたり、バトルさせたりすることができます。

 プレイヤーはポケモントレーナーとして、現実世界のいろいろな場所を歩き、ポケモンを探して、捕まえることができます。

 ゲーム内のフィールドマップに表示される「ポケストップ」や「ジム」というスポットは、現実世界の名所旧跡や有名な建物などと連携しており、実際にその場に足を運ぶことで特定の道具やポケモン、イベント参加の権利を手に入れることができます。

自販機 × ポケモンGO

 2017年2月10日、伊藤園は、同アプリと公式パートナーシップ契約を締結しました。伊藤園が全国に設置している「災害対応自販機※」および「社会貢献につながる自販機」の一部(約1800台)がポケストップとして地図内に表示され、話題になりました。
(※ 風水害・地震などによる大規模災害が発生し、停電となった際に、⽀援物資として飲料の提供が可能な自動販売機)

 「お茶をより広く愉しんでもらいたい」という信念を持ち、新しいことに取り組む伊藤園と、世界を席巻する拡張現実アプリケーション「ポケモンGO」とのコラボにより生まれた見事な企画のご紹介でした。JVの教材としてぜひ一度足を運んでみてはいかがでしょうか。


Pokémon GO
ナイアンティックと株式会社ポケモンによって共同開発されたスマートフォン向け位置情報ゲームアプリ。対応プラットフォームはAndroidとiOS。 日本のメディアでは一般的に「ポケモンGO」として報道されており、一部記事タイトルでは「ポケGO」の略語も使われている。【出典】Wikipedia

株式会社伊藤園
東京都渋谷区に本社を置く、茶製品、野菜飲料、コーヒー飲料等を扱う飲料メーカー。「お~いお茶」「金の烏龍茶」「香り薫るむぎ茶」などのお茶製品で知られる。
【出典】Wikipedia、はてなダイアリー


ジョイントベンチャーによる顧客創造とは?

ジョイントベンチャーの本質は資産のニーズの交換することによって新たな顧客を創造することにあります。
ドラッカーは企業の目的の定義は「顧客の創造」であるとしました。

今回の特集について、どんな資産とニーズの交換が行われ、どんな顧客創造が行われたのでしょうか。
本特集のジョイントベンチャーで行われた顧客創造を分析したシートを事例集10とともにプレゼントしています。

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