街を歩けば、どこに行っても『天気の子』
興行収入100億円を超えた新海誠監督の映画『天気の子』ですが、大ヒットの裏側にはジョイントベンチャーがしっかり仕込まれていたのです。
『天気の子』が仕掛けたジョイントベンチャーの威力をご覧ください。
『天気の子』はありとあらゆる企業とのジョイントベンチャーによって、ヒットするべくしてしたのです。戦略的に行われていると考えるととんでもなくスケールが大きいですね。
事例をご覧下さい。
『天気の子』とSUNTORY
SUNTORY 天然水とのジョイントベンチャーとして、『天気の子』の舞台になっている新宿・神宮外苑・お台場 東京テレポート・池袋にコラボ自販機が設置されました。
さらに、SUNTORY 天然水と『天気の子』がコラボしたオリジナルグッズが当たるキャンペーンも。
電車の中でも『天気の子』
日本気象協会が運営する天気予報専門メディア「tenki.jp」とのジョイントベンチャーがこちらです。
天気をテーマにした映画である『天気の子』はtenki.jpとの相性が抜群ではないでしょうか。続いて、右側の画像には電車のドアにポスターがちょうど貼られているところです。通勤や通学で必ず目が触れるといっても過言ではない場所をしっかり押さえています。
こちらの画像は、『天気の子』で主人公とヒロインを演じた醍醐虎汰朗さんと森七菜さんが天気の説明をしているシーンです。
ソフトバンク白戸家とのコラボ
Twitter上で「ハッシュタグ付きのツイート」でSoftbankのCMでお馴染みの「白い犬」が『天気の子』劇中のどこかに2度出て来るのが何処か?をつぶやくと新海誠監督の直筆のサインが貰える、というキャンペーンが行われました。
他にも、『天気の子』とのコラボCMも放送されました。
ミサワホームともジョイントベンチャー
映画「天気の子」とミサワホームが紡ぐ、家と天気のストーリー。として特設サイトも設置されました。
特設サイトでは放映されたCMの動画も公開。
そのCMのメイキングでは、場面・場面説明・セリフも見ることができ、どのようにジョイントベンチャーによってミサワホームがアピールされたかも伺い知ることができます。CMの主人公は映画本編にも登場するこの CM の主人公、ミキちゃんです。
さらに、限定グッズのプレゼントを行うフェアも開催しています。
特設サイトで詳細が確認できます。
バイトルともタイアップ
ディップ株式会社が運営する「バイトル」ともジョイントベンチャーを組んでいます。
劇中では、主人公のスマートフォンの画面の中にバイトルのアプリが入っており、そこでアルバイトを探すシーンも。
現実の世界でも、「秘密のアルバイト」なるキャンペーンを実施し、新たな顧客創造をしています。
バイトルでもオリジナルグッズが当たるキャンペーンも行われました。
クラシルがレシピを提供
料理・レシピ動画サービスのクラシルは劇中に登場するチャーハンとサラダのレシピを提供しました。
メニューの名前は「のり塩すごもりチャーハン」「ザクザク食感のラーメンサラダ」。ヒロインの陽菜が作ったあの料理が食べれるとあって、SNS上でも話題になりました。
このように認知が広がれば、ユーザー数が伸びる要因になることは間違い無いでしょう。
kurashiruの特設サイトにおいても『天気の子』の映像とともにレシピや作り方の動画も公開されています。
日清CUP NOODLE
日清のカップヌードルとのコラボは商品のオリジナルパッケージにも表れています。
『天気の子』の新海誠監督の名前を冠したパッケージは、シーフードヌードルのコンセプトを伝えるものになっています。
音楽業界ともジョイントベンチャー
HMVでは『天気の子』公開記念キャンペーンを開催しました。
RADWIMPSが提供した主題歌は1位の売れ行きでした。
雑誌・新聞でも『天気の子』
多数の雑誌・新聞の表紙を飾り、特集されました。
LOTTEとのコラボキャンペーン
LOTTEは『天気の子』オリジナルグッズが当たるコラボキャンペーンをしました。
駅まで『天気の子』
新宿駅では構内の表示にも『天気の子』が登場し話題になりました。
「天気の子 STATION」
都バスでも『天気の子』
都営交通の広告にも主人公が登場
『天気の子』聖地巡礼
劇中で映った場所に行き写真や動画を投稿する聖地巡礼もSNS上で話題となっています。
書店も『天気の子』一色に
書店でも一列まるごと『天気の子』で埋め尽くす特別展示がされました。劇中の鳥居を模した演出や、公開記念キャンペーンも。
あのメニューがローソンで
ヒロインの陽菜(ヒナ)「陽菜のおもてなしチャーハン」がローソンのお弁当として登場しました。
さらに、ローソンではチャーハン以外にも『天気の子』とタイアップした商品が続々登場しました。
「照る焼きチキン味」「雨ふりソーダ」「晴れソーダ」も話題を呼びました。
テレビでのスポンサー表記も
『天気の子』公開に先立ってテレビで放送された新海誠監督の前作『君の名は。』では『天気の子』に協力する企業のスポンサーロゴが入れ替わる演出もされました。
「観客に、この作品で描かれた世界は“自分たちのことなんだ”と感じてもらいたい」
新海誠監督はこんな想いから『天気の子』を製作したそうです。
経済危機や、自然災害がたびたび起こる中で、世界や社会がただ無条件に続いていくとは思えない実感がみんなの心のどこかにある。
新海監督はそんな“誰もが身に覚えのある感覚”を「異常気象が続く東京で、10代の少年少女が社会のルールからはみ出しながらも生き抜こうとする姿」として描き、世に送り出しました。
必ずしも「社会で正しいとされること」だけではなく、むしろ映画会社やプロデューサーが往々に敬遠するような、「公序良俗に反している」と言われかねないことまで含まれていた同作品に多くの協力者が生まれた理由はどこにあったのか。
それは、「東京の景観や普段使っているものをリアルに描写し、映画の世界を自分ごととして捉えてほしい」という新海監督の強い信念だったのではないでしょうか。
この信念・コアの部分、これを私たちJOINT VENTURESは「パーパス( PURPOSE、存在意義 )」として最も重要な行動原理であると考えています。
ジョイントベンチャーは単なる規模拡大策ではありません。
たった数秒のシーンでさえアニメーター、美術、音響、撮影など多くの人の協力があって初めて私たちの心を打つ描写が成し遂げられていたのです。
『天気の子』が大ヒットした理由は、新海誠監督のブランド力や作品の認知度の高さがあったからというよりも、新海監督が強く持っていたパーパスが関係者や大衆の心を動かした結果であると確信しています。
全てはパーパスから始まる。
ジョイントベンチャーが持つ表面的な効果ではなく、芯にあるパーパスの大切さについてこの特集から少しでも感じ取っていただけましたら至上の喜びです。