ビジネスにおける戦略的なキャラクターマーケティングとは
世界中に熱狂的なファンを持つ『スター・ウォーズ』シリーズ。今回は、同映画キャラクターとのコラボレーションを実現した事例を複数紹介する。デジタルデバイスの発達、スマートフォン所持者の増加に伴い、これまでの一方向的な施策ではなく、顧客との双方向的な関係性を築きたい企業が増えてきている中、キャラクターたちはどのように媒介することができるのか。
キャラクター × 商品・サービス
インターネットが普及し、顧客のニーズの多様性が顕在化しつつあります。そんな中、『商品・サービスを顧客と結びつける上で、キャラクターの存在が興味関心を惹く手助けとなってくれる』という理由から、「キャラクター」を用いたマーケティングが活発になっています。中でも、『キティちゃん(サンリオ社)』や『くまモン(熊本県庁)』の様々な商品・サービスとのコラボは有名な事例です。次頁では、世界中に多くのファンをもつ『スター・ウォーズ』シリーズのコラボレーション事例をご紹介いたします。
スター・ウォーズ × お菓子
同シリーズの新作映画公開に向けて実現したコラボレーション。写真(上)は「ルーカス・フィルム監修」のお墨付で発売された『スター・ウォーズ ビックリマンチョコ〈スペシャルエディション〉』。
写真(下)は森永ダースチョコレートが、ダークサイドと手を組んでいると話題になった商品です。「#ダースに身を委ねるのだ」というハッシュタグとともに、インターネット上で多くシェアされ、森永ダースチョコレートの再認知と、映画の告知を成功させた事例です。
スター・ウォーズ × Tシャツ
2019年、「俺たちのスター・ウォーズ」をテーマに、日本を代表する三人のクリエイターが手がけた『スター・ウォーズTシャツ』をユニクロが販売。映画と衣服との間に接点を見事に見出した事例です。
同商品の発売のきっかけは、ユニクロとディズニー社との共同プロジェクト「MAGIC FOR ALL」が背景にあります。二社間で「服を通じて世界中の人々に夢と驚きを届ける」という理念を共有し、その場にいるだけでワクワクするような夢のショッピング体験を提供しています。
スター・ウォーズ × 英和辞典
同映画内の台詞やスクリプト(台本)に出てくる中学レベルの基本英単語を中心に約1000語が例文付きで収録されています。各例文は「May the Force be with you.」「I am your father.」など、同シリーズのファンにはお馴染みの名シーンから抜粋したものです。この辞典のために書き下ろされたオリジナルイラストが200点以上挿入されており、「親子で一緒に英語の勉強をしたり、映画を見ながら英単語を覚えたりと、楽しく勉強ができそう!」と話題になりました。
スター・ウォーズ × スカイツリー
東京スカイツリーが行ったイベント「STAR WARS TOKYO SKY WALK at TOKYO SKYTREE」では、オリジナル商品の販売、スカイツリーが『スター・ウォーズ』カラーに点灯するライティング、映画に登場するキャラクターの等身大立像と写真が撮れるスポットの設置、新作映画の予告映像やメイキングの上映など、様々なイベントが開催されました。夜景を銀河に見立てたり、点灯式をアレンジしたり、東京スカイツリーのもつ特徴を見事に活かした事例であるといえるでしょう。
スター・ウォーズ × 引越し会社
アート引越センターでお馴染みのアートコーポレーション株式会社は、同シリーズの第一作目が公開された年と、同社の設立された年がともに1977年であることから「新たな挑戦へのスタート」をテーマにテレビCMを打ち出しました。タイアップ実施後、その意外性と親和性が話題になり引っ越しの申し込み数は順調に推移。男性の潜在顧客にリーチできただけでなく、同社内でも同シリーズ世代を中心に喜ぶ社員が多く、インナーモチベーションのアップにもつながったといいます。
ジョイントベンチャーによる顧客創造とは?
ジョイントベンチャーの本質は資産のニーズの交換することによって新たな顧客を創造することにあります。
ドラッカーは企業の目的の定義は「顧客の創造」であるとしました。
今回の特集について、どんな資産とニーズの交換が行われ、どんな顧客創造が行われたのでしょうか。
本特集のジョイントベンチャーで行われた顧客創造を分析したシートを事例集10とともにプレゼントしています。